ETV特集『焼き場に立つ少年を探して』という番組を見ました。原爆の後に亡くなった弟を背負って直立不動で立っている姿の写真から少年のその後を含めて探す番組でした。結果的には探しだすことは出来ませんした。当時は親を亡くした戦争孤児が多く、またみんな生きることに精一杯で子供が生死を彷徨っていても他人の面倒をみる余裕は無かった時代。餓えて亡くなった子供たちが多かったそうです。その番組を見ていて感じたことが有ります。誰が始めたかを正確に言うことの出来ない戦争をして非常に多くの人々が亡くなっても責任追及された人は一握りで、罪を償ったとしても当然のことながら死んだ人々は還ってきませんでした。被害を被るのは全く無関係の多くの人々だったのです。今回の東京五輪開催を強行すれば「やらない」よりは必ず感染者が増えます。その中には東京五輪が行われ無ければ感染しない人もいる筈です。また感染者の中には亡くなる方々も出てくる筈です。選手の人たちには本当に申し訳ないと思いますけど生命よりも大切なものはありません。「人命は地球よりも重い」と言った政治家が居ましたけど、同じ政治家なのに国民の利益よりも自らの利益を優先しているとは情けない。「いやいや五輪開催をしたって国民の不利益にはならない」というかもしれません。それなら表現を変えます。飲食店の時短営業は五輪開催すれば確実に時短要請期間が増えることは分かると思います。どんな時でも最も被害を受けるのは全く無関係の人、発言しても取り上げてもくれない人、弱い立場の人々なんです。しかし今の政治は本当に変です。多くの国民がどれだけ反対しても政策の変更はありません。憲法改正に国民投票するなら東京五輪開催の是非を国民投票してみろよ!自信が無いから出来ない。有るなら投票して反対派を黙らせる筈。日本選手にのみ有利な歪(いびつ)な大会で勝ってもライバルたちの間では陰で一生言われ続けることでしょう。「あの時は全員が最高のコンディションで競技していなかった」「あの大会は世界中の選手が集まる五輪では無かった」と。正々堂々と日本選手にメダルを獲ってもらいたいものです。