肝臓と来たら次は腎臓でしょう。腎臓の大きさは10~12㎝、120~150gくらいが標準です。心臓が1分間に5リットルの血液が流れ込むのに対して腎臓は1リットル。腎臓内に有る糸球体で尿の元である原尿が1分間に100cc作られて、正常なら99%再吸収されて1%が尿になります。CKDになると『貧血、だるい、むくむ、食欲不振』等です。しかし自覚症状の無いCKD患者は多く居て脳卒中や心筋梗塞に発展する患者も多いです。現CKD患者数は1330万人くらいと言われています。ではCKDにならない為の予防法は?「暴飲暴食をしない、禁煙、高血圧と高脂血症にならない」という生活習慣病予防法と同じです。何故なら生活習慣病の代表である糖尿病の46%の患者がCKDと言われているからです。ですから血糖値は勿論、HbA1cの数値と血圧、体重に気を配っておく必要が有ります。もしなってしまうと水分摂取でさえ制限が有り、喉が渇いても1日に決められた水分量しか飲む事が許されません。喉が渇いているのに氷を舐めて我慢している患者様を見た事が忘れられません。透析は現在約31万人が受けていてます。頻度としては週3回、4~5時間が一般的ですが『腹膜透析(CAPD)、自動腹膜透析(APD)』という便利な透析も開発されました。CAPDは1日4回の短時間の透析を自宅や職場で行って月1~2回病院に行きます。腎臓移植は血液型が違っても可能なので1年に1000~1500例が行われています。移植前に注意する事は虫歯、歯肉炎、歯周病を術前に治療、BMI30以下、HbA1c7.5以下にする必要が有ります。そして移植後は免疫抑制剤が朝晩2回一生必要となります。日頃から生活習慣に注意して健康診断の尿検査に関心を持ってタンパク尿、クレアチニン値、カリウム値、貧血くらいは見て下さい。