明後日出産予定の患者さんがいます。先日身体を調べると「鉄分不足」の兆候が有りましたので「鉄分補給をお願いしますね」と伝えると「産婦人科でも言われましたけど鉄分の為に『ちゃんとヒジキを食べている』んですけど」と。えっ鉄分不足にヒジキ?何でヒジキ?と尋ねると産婦人科で指導されたとの事。その地域で有名な大きな産婦人科ですから患者様たちも安心しているんでしょう。しかし私のような者でもヒジキに鉄分が入って無い事は知っています。確かに以前はヒジキに鉄分は入っていました。しかしあくまでも「以前は」です。胎児に栄養は特別な物である事は誰もが知っている事です。大人なら「クラクラする、少し貧血気味」くらいかもしれません。でも大人でさえ重症の貧血ならば生命に関わります。ましてや胎児なら生命や障害に直結しますし、出産ともなれば大量出血の危険さえ予想されます。こんな事を私ごときが声を大にして言う事はありませんけど、患者は「お医者様」を信じています。信じきっています。母子共に生命を預けています。ですから間違いは許されませんよね。当然の事ですが情報は『最新』を提供してあげて下さい。その情報も常に変わる事が有りますから「全て正しい」とは言えません。でも今回の「ヒジキに鉄分」は鉄釜からステンレス釜に代わった訳ですから正しいと思います。古い情報は害にもなると常に自身にも言い聞かせています。無事出産を祈ってます。あっ明日(出産予定日前日)来るんだった。