今COVID-19の話題以外に世界を揺るがしている話題はアフガニスタンのことでしょう。米中の力関係にタリバンの存在が大きく左右することは世界中の関心事であることは言うまでもありません。たった今まで、いや今でも直接戦ってきた米軍に対してタリバンが『敵』と考えることは当然です。だから直接対する米軍は勿論、米国資本の企業や米国人等々全てがターゲットになるのは当然です。しかし見方を変えると米軍の引き上げは、かなり強引ですが「和平交渉」の幕開けとも取れなくもないので米国が今後アフガニスタンに対して攻撃しないと宣言した瞬間にタリバンも一気にアフガニスタンを掌握出来ることになります。すると宗派が違えば異教徒ほど違うと言われているイスラム教徒ですが「ウイグル族」を弾圧・支配しているとされる中国に対してタリバンが銃口を向ける可能性が出てきました。こうなっては一大事と現在中国政府はタリバンのご機嫌取りに必死ですが、小さなことがキッカケで戦闘状態に陥る可能性が有ります。タリバンが米国を含め中国以外の国に対して敵視確定または再び戦闘開始するまでの間、中国政府は薄氷を踏む思いでしょう。万が一タリバンが中国政府に対して牙を剥いてきた場合、中国崩壊のカウントダウンに繋がりかねないほどタリバンは中国政府にとっては米国以上に非常に厄介な存在なのです。何故なら中国が戦闘状態に陥った時に助けを求めたいロシアはタリバンの恐ろしさを身をもって体験済みなので間違っても表立っての協力はしないと思います。ロシアがタリバンに関わった途端に一枚岩では無いロシアの一部が分離独立宣言することをプーチン大統領が知らない筈がありません。中国政府は「米国と戦うなら協力する」と説得すると同時に多くの資金と武器弾薬の援助をしていると想像出来ますが、それが180°回って自分たちに向く可能性が0%でない諸刃の刃であることを常に肝に銘じておかなければいけません。中国政府も米国政府も勿論日本政府も2019年12月4日に亡くなられたペシャワール会現地代表だった『中村哲』氏の存在の大きさを今ヒシヒシと感じているかもしれません。彼らの好きな金や武器弾薬に換算するとしたら中村医師一人で中国・米国・ロシアを合わせても尚足りない、現在横たわっている全ての問題を瞬時に解決できる大きな存在、唯一無二の存在だったと。忘れかけていた「純粋な心に敵うものが無い」ということを皮肉にも世界情勢が改めて教えてくれました。