身体は暑くなれば熱を下げなければいけません。ヒトの身体はハイブリッドの優れた機能が有ります。皮膚に近い毛細血管が開いて放熱する「空冷」方法と発汗気化して「水冷」冷却する方法です。他にも呼吸の冷却や鳥肌の保温も有ります。患者様に「暑がりの寒がり」という一般的には一見すると単なる我が儘と思われてしまう方が居ます。しかしその方は自律神経の交感神経優位が続く不調から、全身の毛細血管が常時縮んだ状態で苦しんでいます(酷い肩こり頭痛)。「毛細血管の拡張」による放熱が出来ない為に頭や首からの異常なほどの発汗が有ります。ところで胸から上の発汗を止めるのは簡単です。乳房付近の高さの脇を押さえれば止まるからです。「舞妓さんの高帯」は化粧が汗で落ちない工夫です。しかしこの患者様の場合は毛細血管の拡張が期待出来ない為に発汗して冷却する方法のみで身体が対応しているので異常な汗の量となってしまうのです。発汗を止めるより毛細血管の拡張を優先しないと脳内出血に発展しないとは言えないので慎重に対応しています。