立て続けに正常歩行に問題の有る人が来院されました。水頭症の疑いの方とクモ膜下出血後遺症の方が続いて。治療後に歩行指導もして終了ました。そして次の患者様が偶然歩行に問題がある高齢者の方でしたので歩行指導をしていて気が付きました。この方もクモ膜下出血の方も水頭症の方も以前通っていた整形外科でみんな「膝を上げるように」と指導されていたのです。長く全快堂に来ている人には指導していたのですが全員に歩行指導はしていなかったことにも気が付きました(スイマセン)。だから皆が世間で伝わっている間違った歩行を理想として真似しようとしていたのです。その間違ったキーワードは「膝を高く」です。水頭症の疑いの方もくも膜下出血の後遺症の方も高齢者の方も「歩いてみて下さい」というと頑張って膝を無理に高く上げようとします。これは今まで「良い歩き方=膝が高い」という間違った概念が刷り込まれている証拠です。正常歩行とは「前の脚に後ろの脚を近付ける動作」です。それなのに膝を高くすることを意識すると腰が下がってしまいます。これでは後傾姿勢を助長してしまい益々歩けなくなってしまいます。ですから高齢者に正常歩行を教える時には分かり易く「前の膝裏に後ろの膝の皿を付けるように」と教えるようにしています。それは前の脚に確実に加重することを意味します。すると良い歩き方を理解してくれます。しかし全ての方が巧く歩ける訳ではありません。それは大腿の裏(ハムストリングス)又は下腿三頭筋が硬いと上手な歩行には繋がりません。そのことを指導すると見違える歩行に変化します。是非試してみて下さい。