NHKの大河ドラマ『どうする家康?』で浅井長政が織田信長を裏切り、朝倉義景と挟み撃ちする計画を知らせに走る「お市の方」の侍女「阿月(あづき)」の走るフォームが『なんば走り』だったことには感動しました。以前投稿しましたけど明治以前の殆んどの人々が「走れなかった」ということを書きました。正確には「走り方を知らなかった」が正しい表現です。農耕民族?の血が流れている日本人の生活には同じ側の手足が動くようになっています。例えば畑を耕す時に鍬を握っている上の手と同側の足が前に有ります。相撲で前に出る動作は右手右足•左手左足。ギリギリ足が届く非常に高い台や岩に足を乗せようとする時は無意識に同側の手足が動いています。そして微笑ましいのは低学年の子供たちが運動会の行進していると必ずといって良いほど同じ側の手足が動いている子がいます。大人でも突然「はい、歩いて」と言われると同じ側が動いてしまう人がいます。その動きは刀を差していた武士にも都合良かったのです。刀を差して同側歩行で無ければ刀が邪魔になるからです。したがって武士も農民も同側歩行だったのです。それが明治以降に軍隊の行進が教育に入ってきて初めて走ることが出来たそうです。それを裏付けるように『西南戦争』で薩摩の住民は新政府軍の走って追いかけての一斉射撃に歩いてしか逃げれず一瞬で亡くなったと。話を戻して『阿月』の『なんば走り』とは江戸時代でも唯一走ることを職業にしていた「飛脚」の走り方で同側歩行状態で走るフォームです。これはエネルギー消費が極端に少なく長距離走に適した走り方ですが体得するのが難しいとされていました。しかし偏屈爺の私は毎朝のジョギング通勤で身に付けました。それが『どうする家康?』で見れるとは感動しました。流石NHK、時代考証がしっかりしている。素晴らしい!今後も大河ドラマから目が離せません。