何年も治療をしていると『あっこれは○○だな』とか『こうすれば治るだろう』とか考えてしまう事が有ります。しかし同じ患者様でも同じ状態は無いのです。流れる川の水の如く、まさに『一期一会』の考え方その物なのです。最初から私に最も似合わない哲学的な内容ですが難しくないですので安心して下さい(履いてますよ)。野村氏は『先入観は罪』と言っています。いつもの症状だろうと考えて接して実は重大な病気が隠れている可能性が無いとは限りません。そして治療方法も「この痛みには、この治療法をやればいい」という考え方も危険です。野村氏『固定観念は悪』とも言っています。ただし常に違う事を要求しているのでは無いと私は理解しています。何故なら自分の目線が一定で無ければ、どれほど上なのか下なのかさえ分からなくなってしまうからです。だから基準は必ず固定する。そして常に同じ目線で見て判断した上でその患者様の症状に合わせた治療法を選択しなければなりません。私は常に同じスタイルで患者様に接しますが患者様が全く同じ状態を保っている事は無く、また全く同じ行動をする筈も無く、究極の考え方をすれば全く同じで有っても老化=時間の経過だけはしている訳ですから毎回の治療で狙う箇所は違うのです。鍼と灸も同じ辺りには施術しますが狙う経穴の位置は違います。専門的な話に為りますけど、だからこそ私は『畦穴(あぜけつ)』を治療します。毎回同じ箇所(有名な経穴)に鍼や灸をする事は私は違うと考えているからです。これは治療家同士の話なのでココまで。とにかく全てに於いて同じ事は存在しません。経験は大事ですけど先入観や固定観念は無くして常に新鮮な目と耳で情報を得なければなりません。毎回が真剣勝負です。ごちゃごちゃ羅列しましたけど私が言いたい事は『野村克也氏は偉大な人』だという事です。