では最終回は『前立腺がん』と『肝臓がん、膵臓がん、胆管がん』です。最大の症状は頻尿です。正常な排尿回数は1日8回と言われていますが元プロボクサーの竹原慎二氏は前立腺がんになった時には1日20回程の排尿だったと振り返っています。酷い時には排尿15分後には排尿を我慢出来なかった事も。他には尿が出にくい症状の人もいます。しかしどちらも『前立腺肥大』と同じ症状なので区別がつきません。男性は年齢が上がると前立腺が肥大しますから『年だから仕方がない』と思っていたら実はがんだったというケースも有ります。と教えて下さるのは昭和大学藤が丘病院副院長・佐々木春明氏です。病院で受診するとPSA検査という血液検査が行われます。早期の前立腺がんでも、ほぼ100%この検査で見つけられるとの事です。前立腺がんは進行が遅く『おとなしいがん』と言われています。しかし進行すれば勿論転移します。それも骨への転移ですから治療が難しくなります。時折、がんが骨に転移してから肩の関節などに違和感を覚えて整形外科を受診して、レントゲンを撮ってがんが発覚するケースも有るようです。全快堂にもPSAが高い値を示して告知された方が来院しましたが、幸い0.0…となった患者様も居ました。ただしもう一度、おとなしいがんですけど骨に転移すると厄介ながんです。変だなぁと思ったら一刻も早く受診して下さい。他のがんとしては『沈黙の臓器』と呼ばれる膵臓や肝臓に出来たがん、そして胆管がんは自覚症状がほぼ出ず、見つかった時にはもはや手遅れ、というケースが多い。東京山手メディカルセンター健康管理センター長の西田潤子氏によると『膵臓がんは進行が早く、年に一度検査を受けていても前回は何も見付からなかったのに1年後に2cmの膵臓がんが見つかったという事が有ったと。勿論自覚症状は無いし、血液データについても腫瘍マーカーが少し上がっていただけ』というケースが有ったという。膵臓がんは症状が進むと腹痛や腰背部痛が見られる事も有ります。血糖値が急に上がった方に腹部超音波検査で膵臓がんが見つかったケースも有ると。元横綱千代の富士は検診で膵臓がんが見つかり「早期だから大丈夫」と言われていましたが転移が見つかり残念ながら亡くなりました。身体が丈夫な方でもがんには勝てません。膵臓がんの5年生存率はステージⅠ(36.0%)Ⅱ(16.1%)Ⅲ(5.7%)Ⅳ(1.4%)です。胆管がんでがんで亡くなったのはタレントの川島なお美さんです。2013年に発見され「余命1年」と宣告され半年後手術をしたものの15年9月に亡くなられたのは記憶に新しいです。赤ワインが活性酸素を抑えて、がんを抑制すると周知の事で川島なお美さんはタレントの中でも有名なワイン好きだったのは皮肉としか言いようがなくて悔しいです。長々と読んで頂き誠にありがとうございました。とりあえずシリーズはこれにて終了です。