お母様がポツリ「移植を勧められた子が」と。その患者様が14年前に初めて来た時は今回の出来事なんて夢にも想像出来ませんでした。手術の数年後に最初は母親の治療に付いて全快堂に来てましたから本人は治療していませんでした。そして翌年13年前の9月から治療を始めましたが暫くは鍼灸治療はしませんでした。心配無いのですが鍼治療で「もしも感染したら」と警戒していたようです。しかし体調不良を繰り返し、入退院を繰り返して鍼灸治療に踏み出したのは実に7年後の6年前からでした。大学病院勤務の現在では国内の第一人者と言われています医師が彼女の担当でしたので本当に彼女は運が良かったと思います。そんな彼女が入院する事も無くなり結婚、そして出産に踏み切ろうとした時に主治医の先生は猛反対でした。しかし人生において最も元気なのは「妊婦さん」という私の考えを彼女とご両親に説明して理解、支持して下さった結果、彼女は命懸けの出産に挑みました。私としては自信は有りましたけど彼女が必ずしも私の考え通りに生活するとは限らない訳で一抹の不安は有りました。もし彼女に何か有ったら二人の生命が無くなってしまうので主治医の先生の云う通り「妊娠、出産は諦めなさい」と言うのがリスク回避としては正解だったと思いました。しかしあの時は何故か自信が有りました「この子は大丈夫だ」と、また「自分の診たてに自信が有る」と何かが後押しした事を今も鮮明に覚えています。そして運命を掛けたGOサインを出してしまいました。結果母子共に無事に出産しましたので一安心ですが手放しでは喜べません。子育てには睡眠不足を含む疲労が付き物。肝臓には疲労が大敵だからです。しかし生まれた子供はすくすくと成長して母子共に安定した日々を暮らして行きました。私は本当に彼女の生命力に救われました。そして今回、主治医の先生から「もう薬は飲まなくていい」と言われたそうです。決して私の力で無い事は分かっていますが結果として、こんなに嬉しい事に出会えるんだと、治療家になって本当に良かったと心底思える出来事です。しかし本当の試練はこれからかもしれません。同じ病気で苦しんでいる人、悩んでまた不安に思っている人の希望になればと思い投稿させて頂きました。全ての人に対して本当に感謝です、ありがとうございました。