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口から考える認知症12

2016.06.26 | Category: 院長ブログ

最終回と言ってはみたものの、まだまだ書き足りないので前回長文になって今回も。『長寿医療センター』が歯が無いと引きこもりになる確率が20本以上の人と比べると1.78倍、入れ歯の人に比べても1.39倍というデータを発表しました。歯が無ければ栄養状態も悪く外出出来ない事も有るとの見解も付け加えられていました。『口から』を謳っている以上、今回の章は前述の通り『歯を残す努力』は若い頃から必要ですが高齢になってもやらないと加速度的に歯が無くなります。固いものが食べれないし無理に食べれば吸収が悪く消化器損傷となり便秘や下痢で体重が減って動けなくなります。歯は物を噛む事によって血流が良くなりますが他に動作の度に歯には圧力が加わります。ですから歯が悪ければ全身状態が悪くなり逆も。日頃から小さな努力の積み重ねが健康に繋がります。移動は歩きと階段で電車、バスの活用、身支度の時は膝を少し曲げた状態で立っていると大腿と臀筋を鍛えられます。最新のオフィスは椅子が無い所も増えています。そして立ち上がる、座る動作は出来るだけ『ゆっくり』行えばスクワットになります。全快堂のトイレには便座へは『ゆっくり』と書いてありますよね。さて誤嚥は肺炎に繋がりますので『最近よくむせる』と感じたら要注意。70歳を超えると3日寝込む事が認知症への第一歩。肺炎要注意。そして寝込んだり入院中は少しでもベッドを起こして脳への刺激を2次元から3次元にするだけで認知症への道を軽減出来ます。食欲無いのは運動低下、食べ方分からない、口腔内の不都合から嚥下出来ない、全身状態の他に薬の副作用、精神的な不快(うつ等)、生きる事への意欲の低下も考えられます。ここまで考えると個人では無理なので総合的にサポートするチーム(栄養補助集団)が有れば助かりますね。認知症の方と接するのは大変です。個人で看れば徘徊、口論、暴力、危険な行為、失禁等の毎日です。病院に入れば入退院の繰り返し、病院によっては拘束(縛る、バリケード)、自由の剥奪、人間的扱いの無い所も有ります(決して多くは無いですが)。そしていずれ来る衰弱した姿。死別した時には悲しい思い出と患者様に対する懺悔の気持ちがいっぱいになってしまいます。そうならない為にも、理想を追うのでは無く出来る範囲でやる。可能な限り本人がやりたい事をさせる、安全面に配慮して食べたい物を食べさせる。場合によっては胃ろうとの併用をする。そして繰り返しますが介護する側の健康が最重要です。辛くなったら1人で悩まず相談しましょう。最後になりましたが国立長寿医療センターの武田章敬氏、ケアマネージャーの鈴木森夫氏の発表を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。そして間違っている箇所が有りましたら私の意見部分なので御了承下さい。認知症はまだ書き足りません。いつかまた。

口から考える認知症11

2016.06.25 | Category: 院長ブログ

今回は題名の『口から』は無く認知症についてです。認知症の治療法に回想療法というものが有ります。懐かしい物を見て昔を思い出して話を膨らます治療法です。そこから思い出の歌を思い出して唄う事も良いと思います。『昔の事はよく覚えているけど最近の事は覚えれない』と嘆く人がいます。ヒトの記憶は箪笥(脳)に着物(出来事)を入れるようなものです。新しい着物は古い着物の上に上に載っていきます。本来は箪笥の容量は無限に近い?のでしょうけど一般的には限度が有ります。そこで新しい着物は入らないけど古い着物は収まっています。これが結論ですが鍛えれば容量は増えるので80歳を超えて異国の言語の習得に燃える人がいるのです。徘徊の対処法は理由から考えて対応するのが良いです。古い着物しか入っていない=昔の風景や建物や知人しか記憶に無いのに現実には全て新しく昔の物が無いので混乱状態。その気持ちを理解して優しく接して暫く歩かせてから帰宅させると完全ではありませんが少し納得したり歩いた事によって疲労感から夜間の熟睡に繋がります。また外出は夕方に増える=暗くなって不安の表れなので安心感が特に必要ですが実は熟睡させるには好都合です(認知症の方に対して上から目線の発言すいません)。夕方に運動すると一度体温上昇して下がってくる。ヒトは体温が下がる時に眠くなるのです。話は変わって認知症の方が居られる家庭では排便後の便器にトイレットペーパーを押し込んで有ったりする事が有ります。コレは流す事が分からなくなっても『何とかして無くさなくては』という感情の表れです。排便が間に合わずに汚れた下着も『洗濯』が分からないけど『処理しなければ、無くさなくては』から箪笥に押し込んでしまったのです。手で食べてしまうのは箸の使い方が分からないのです。入浴を勧める→服を脱がす→訳が分からない→危険な感じ→抵抗する→暴力となります。しかし身を守る当たり前の行動なのです。だから怒らないであげて下さい。絶対やってはいけない事が有ります。尊厳を傷付けたり責めたりする事は勿論ですが最もやってはいけない事は『ちょっと待ってて』です。コレは禁句です。彼等は今を生きています。言い方を変えれば『今しか無い』のです。認知症には過去も未来も無く『たった今しか無い』のです。そして覚えておいて下さい。昨日出来た事が今日は出来なくなるのです。『認知症になりたくてなったのではない』のです。やりたい事を止められ訳の分からない世界で生活させられて本人も辛いのです。では次回いよいよ最終回です。

口から考える認知症10

2016.06.24 | Category: 院長ブログ

認知症の特徴のキーワードは『無くなる』です。応用編として『取られた』『盗まれた』と物が管理出来ず無くなった物を責任転嫁するパターンです。現金、通帳、印鑑、保険証等、大事な物が無くなるタイプと、食事を食べたのに『食べてない』と言って食べさせないと『うちの嫁は食べさせてくれない』と周囲に言い付けたり制止を振り切って食べ続ける。この場合の対処法は気をそらす事です。話題を変えたり全く別の質問をする事が良いでしょう。それでも駄目な場合は少しだけ野菜スティック等を食べさせてみて下さい。他に自宅の電話番号が分からなくなるという事が起こります。最近は携帯に電話番号が登録されている=便利=認知症を加速という図式です。財布の中に小銭がパンパンなんて事が有れば、やはり早期の認知症を疑って下さい。お釣りの計算が出来ないので小銭が増えてしまうからです。また薬の服用を忘れてしまい薬が余ってしまう人もいます。そこで危険なのは二度飲んでしまうパターンです。『あっ飲んだかなぁ?』ともう一度服用した場合、薬の作用が増幅されて場合によっては命に関わります。薬の管理だけは徹底して下さい。認知症を少しでも進行をストップさせる、良くするには女性の場合は料理を出来る事に参加させる=責任を持たせる、幾つになっても綺麗な物が好きな方が多いので綺麗な服を着させる、化粧やヘアスタイルを気にしてあげる事も有効です。難しいのは男性。プライドの生き物なので逆鱗に触れないようにしなければなりません。特に認知症になると非常に怒りっぽくなるので細心の注意が必要です。夕方になると多くなるのは外出したがる事です。施設に入居している場合、馴染みの家に帰りたがる=ここは自分の家ではない=徘徊となります。毎日家族を迎えに行っていた等の思い出がさせている場合も有ります。行動には必ず理由が有ります。次回はそこを少し書きます。(ごめんなさい。本当にもうちょい つづく)

口から考える認知症9

2016.06.23 | Category: 院長ブログ

今回は子供に焦点を当ててみます。子供は苦い食べ物が嫌いで本能的に『危険=毒』と考えて食べない事は前述しましたが、いつまでも嫌いでは困ります。苦いだけならまだしも「トマトが嫌い」「ニンジンが嫌い」なんて言われては尚更困ります。その場合は簡単な家庭菜園を家族で栽培させるといいと聞いた事が有ると思います。生命の大切さや全ての食べ物には生産者がいるという事を知って感謝の心を育む方法で子育てしている患者様もみえます。他には『刈谷ハイウェイ・オアシス』に遊びに行った時に『生産者に実際に会った』とか『生産者の名前が書いてあった』と嬉しそうに話された方々もいました。このように買い物にも参加させて調理前の食材を見せると食事に興味を持ってくれるかもしれません。無理矢理食べさせるのは虐待にもなるので『おだてて』『促して』食べさせて下さい。勿論、厳しく躾をする時も必要ですが。他には調理を手伝わせて毎日美味しい食事を作ってくれている感謝、美味しく食べれる感謝、楽しく食べれる感謝をさせて正しい食育に繋げて欲しいです。その幼少期の経験の豊富さが将来の認知症発症の鍵を握っているのかもしれません。(もうちょい つづきまっせ)

口から考える認知症8

2016.06.22 | Category: 院長ブログ

前回迄に『食の情動記憶』について書いてきましたが、これは生後まもなく備わるものだそうです。これに対して『食の認識記憶』というものあり3歳~8歳くらいで備わるものだそうです。咀嚼の問題以前に美味しい料理を食べたくても煮ることが出来なかったり刻んだり出来ない、料理する時間台所に立っていられない、食材の確保が難しい等、食べる以前の問題も山積しているケースも有ります。料理で言えば噛めない場合は磨り潰す、ゼリーにする、軟飯等、食べる人の症状に応じて変化が必要ですが作り手に時間が無かったり、呑み込みに時間がかかり介護する側が疲れて不適切な食事の提供で誤嚥になってしまう可能性も有ります。そしてレパートリーが少ないと同じ料理ばかりになったり簡単な物(パン、そうめん、カップ麺等)に偏り野菜、タンパク質不足になり三食キチンと食べているのに栄養失調症になる事も考えられますので必要栄養素の確認も必要です。箸が使えない、食事を楽しむ余裕が無く食事の提供が作業になっている、作ってくれた食事を『不味い』と不満を言う等、険悪なムードになってしまっている食卓も有ります。また介護する側には疲れてオヤツで済ましてしまう人も多いですから惣菜に手を加える、缶詰、冷凍食品、レトルト食品等の活用をしてハードルを下げる事も考えて欲しいです。最近は種々な企業から多品種の商品が出されていますし通販で配送してくれるので買い物に行かなくても手に入ります。とりあえず最悪、栄養不足や栄養失調症になったりしたら医師の適切な指示によりオヤツに補助的に栄養剤を混ぜる工夫も必要かもしれません。今回は主に「福岡クリニック管理栄養士『中村育子』氏」の発表を中心に書かせて頂きました。(もうちょっとだけ つづく)

口から考える認知症7

2016.06.21 | Category: 院長ブログ

『歯ごたえ』も情動記憶に含まれるのですが元来、歯が無ければ歯ごたえが感じられず食べ物も限られてきます。すると食べる楽しみが減って食に対する意欲が低下して後々『生きる・生きよう』という根本的な問題にまでなってきます。皆様も経験が有ると思いますが食べなければダルくなりやすく気力の低下に繋がります。人によっては『食べなくてダルくなるのは炭水化物過多』とおっしゃられる方もみえますが短期的なところで無く長期的にみれば生き物はエネルギーが必要というレベルです。歯を全て失っても入れ歯を使用すれば認知症になる確率が下がると前述しましたが、夜間の睡眠中は入れ歯使用が望ましいとも言われています。さて食べたい物を買いに行ければ良いですが買えない場合も有ります。また料理の仕方が分からなかったり面倒になったり長時間料理出来ない体調も考えられ徐々に食べる意欲の低下に繋がり口のケアをしなくなるケースも有ります。他に口内炎や舌がん等、食べると痛くて食べなくなる事も有りますので高齢者の場合は特に注意しなければなりません。対処法としては定期的に体重測定をして減少スピードが早ければ何処に問題が有るのか考えるべきです。そして盲点は介護する側の人の健康管理です。介護する側が悪くなれば共倒れになってしまいます。周囲の方々は介護する側、される側の健康への配慮をお願いします。

口から考える認知症6

2016.06.20 | Category: 院長ブログ

前回の投稿で『血糖値と体温が上昇するのは経験』と書きましたが、それは『情動記憶』と言います。情動記憶とは前述の「舌触り、喉ごし」の他に『見る、匂い、歯ごたえ、音等』も含まれます。見るは現物を見て『美味しそう』と感じる他に『以前コレ食べた』という記憶。音は鉄板焼ならジュージューやパチパチ等の食欲を誘う物。それらの記憶から誰と何処で等、その時のシチュエーションも一部情動記憶に含まれます。以前、私が某中学校で講演会をする為にアンケートを実施した結果は予想通りで心が寒かったです。多くの子供たちが朝食を独りぼっちで食べて家族との会話も無く音と言えばテレビかラジオとの事でした。皆様の朝食の記憶はどうですか?確かに慌ただしいでしょうけどテーブルの上には何が並んでいる事が多いですか?思い浮かびましたか?それが情動記憶の一部なのです。私はご存知の通り今でも大食漢ですが産まれた時に3900gの巨大児で、ずっと肥満児で真冬でも半袖半ズボンで過ごしてきました。51年間ガリガリに憧れましたが夢叶わず現在に至るほど、常に空腹状態の卑しい系(癒し系ではありません)。だから子供の頃に行った年数回の親戚の家の朝食さえ未だに鮮明に覚えています。ヒトの欲望は『睡眠、性欲、食欲』と言われますが自分が認識している記憶と潜在意識に刷り込まれている記憶が有ります。核家族化が進んでいく現代では家族全員で楽しく食卓を囲む思いでを少しでも多く経験する事が将来、認知症を軽減させるポイントになるかもしれません。(つづく)

口から考える認知症5

2016.06.19 | Category: 院長ブログ

ショッキングな事を書きます。よく『脳はバカで騙される』と言われますが今回は血糖値上昇について。しかし『脳だけでなく私達も騙された』のです。食物を摂取すると胃で消化され小腸で吸収され、その結果血糖値が上昇すると学習していました。だから当たり前のように『食事を始めて20分後に血糖値が上昇してインシュリンが出るのでゆっくり食べれば太りにくくなるでしょう。またそうすれば満腹感も感じるでしょう』なんて言われて信じてきました(私だけかなぁ)。しかしコレは真っ赤なウソっぱち。ヒトは食物を口から入れた満足感、舌触りに喉ごし(ってビールかよ)によって5分後には一度、血糖値と一緒に体温も上昇します。ここからです。本来なら食物を口に入れて5分後には血糖値も体温も上がりようがありません。脳が経験から勝手に想像しているのです。それが上述の口に入れた満足感です。『それこそウソっぱち』と思いますよね。そこで胃ろう(チューブで直接栄養を胃に入れる)で調べたところ血糖値も体温も5分では上昇せず20分後に上昇したとの事です。胃ろうでは口からの満足感を何も得られないから5分後の血糖値と体温の上昇が無かったのです。咀嚼は噛み砕くだけの行為では無かったのですね。(つづく)

口から考える認知症4

2016.06.18 | Category: 院長ブログ

歩行能力の低下→体重支える事が困難→杖、車椅子使用→周囲が筋力低下に気が付く。しかし咀嚼能力の低下は分かりにくいので本人が訴えない限り発見が遅れます。筋力低下は咀嚼能力に限らず自覚しにくいです。何故なら昨日と今日が極端に違わないからです。もしも日頃から体調不良を訴えない人なら家族や周囲の人が注意してあげなければいけません。ところで現代人の食事時間が短くなっている事は書きましたが咀嚼1分で消化には24時間~48時間必要です。この時間の比重からも分かるように咀嚼は軽視されがちです。マスコミは『腸内フローラ、腸内細菌、便秘』等、腸に注目してはいますが咀嚼は?第一の消化器官だからこそもっと気を遣うべき注意するべきなのです。咀嚼には歯と歯茎がしっかりしなければなりません。そして咀嚼筋も。また年齢が高くなるにつれて唾液が出難くなります。年齢を問わずシェーグレーン症候群という膠原病が有ります。症状は色々有りますが唾液が出にくいのも1つです。原因はどうあれ唾液が出にくいのは意外と本人は気が付きません。もしもアナタが食事中に液体が必要だったりビスケットやパン(特にフランスパン)が苦手に思えたら唾液が減少気味かも知れません。咀嚼と言っても多角的に考える必要が有ります。(つづく)

イチローの偉業

2016.06.17 | Category: 院長ブログ

『口の講演会』は明日から再開します。
参考記録とは言うものの驚異の安打数は素晴らしいです。どことなく本田圭介氏とイチロー氏とは似ているところが有りましたが昨日がサッカーで今日が野球のトップクラスの人の話が出来て嬉しいです。二人の共通点はマスコミ嫌い(私が勝手に思っているだけ)なところです。比較するのは大変失礼ですけどイチロー氏とゴジラ松井氏となら松井氏の方がリップサービスすると思います。何故イチロー氏はマスコミ嫌いになってしまったのでしょう?彼は幼少期から目標をしっかり持っていたのですが凡人には理解出来ない明確な偉大な目標だった為に周囲の人から変人扱いされたのではないかと推測出来ます。それが彼自身が会見で『笑われた』の言葉に滲み出ていると思います。子供の頃、野球ばかりやってる彼を見て『野球選手にでもなるのか(笑)』米国に渡る時に『大リーグで首位打者になりたい』と発言した時も笑われたと。しかし彼は一歩一歩確実に目標を達成している最中です。本田氏と違ってビックマウスでは無いですから今後の目標は発言しませんが彼ならきっと新たな目標を明確に掲げているに違いない。とりあえずは大リーグ三千本は間違いないですが。今後も彼から目が離せないです。鈴木一朗君、まだまだ頑張って下さいね。PS一朗氏は長男ではありません。長男の方は『一泰』さんです。という事は御両親もかなり変わっているのかなぁ。あっ比較するのも恥ずかしいですが私も『謙三』ですが長男で確かに両親は変人でした(笑)

当院へのアクセス情報

全快堂

所在地〒470-1151 愛知県豊明市前後町鎗ケ名1879-2
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休診日日曜日(隔週)お休み
院長宮木 謙三